大手前高松高校「塾いらず」って本当?クラス替えや指定校推薦の実情を解説!

香川県高松市にある「大手前高松高校」は難関国公立大学の進学実績がある私立の進学校として知られています

大手前高松高校は大手前高松中学校からの内部進学と高校から入っている生徒にわかれており、学力別でクラスも決まっています

学校が「塾いらずの手厚いサポート」と謳っており、専願で大手前高松高校を受ける生徒も少数ですがみられます

近年、大手前高松中学校を受験する生徒も増えてきており中学受験の中では人気があるようですが、大手前高松高校はどうなのか気になる方も多いと思います

そこで現在高松市在住の筆者が実際に感じている印象や、現在大手前高松に通っている生徒、塾講師から聞いた実際の情報を基に大手前高松高校について解説していきます

特待生制度や指定校推薦に興味がある方、公立高校のすべり止めとして考えている方はぜひ参考にしてください

この記事を書いた人
  • 神戸大学現役合格
  • 家庭教師経験5年以上
  • 長崎県出身
  • 現在香川県在住
目次

大手前高松高校は「塾いらず」って本当?

まずは学校が謳っている「塾いらずのサポート」は本当か解説していきます

大手前高松は、「公立高校は授業料は安いが結局塾に通わなければいけないため私立と同じくらいお金がかかる」といっています

その一方で「大手前高松は授業料は公立高校よりかかるが、その分学校だけで手厚いサポートがあり塾に通う必要がないため、実質「公立高校+塾通い」とほぼ同じ金額で設備やサポートが整った環境で学べる」ということをメリットとして挙げています

私の結論からいうと「塾いらずでもいけるがサポートが手厚いわけではない」です

実際私も高校生の間は塾に通わず学校の勉強だけで現役合格したのですが、公立進学校だったので大学進学に向けた演習や模試などは多く、質問も休み時間や放課後など職員室に行けばいつでも可能でした

香川県も公立高校でも進学校といわれるところはどこもそのような模試やサポートがあります

そこをきちんと活用すれば公立高校でも塾なしで大学進学は可能です

塾に通う生徒は学校の授業についていけず、自発的に勉強したり先生に質問にいったりできない生徒が多いように思います

それは公立高校でも大手前高松高校でも変わりません

大手前高松高校だけの特化した魅力的なサポートというのは正直あんまりなく、放課後にナイトスタディサポートという自習と質問を兼ね備えたサポートやM講座という演習などありますが、それは公立の進学校がやっているレベルと変わりません

香川県でも進学校と呼ばれる「高松高校」「高松一高」などの公立高校よりも手厚いサポートがあるかといわれると、そんなことはないです

大手前高松高校に入れば「塾なしでも難関大学に入れる!」と期待していくのは危険です

結局は学校から渡された宿題をきちんとやり遂げ、わからないところは隙間時間で先生に聞きにいったり自発的に自習したりすることができる生徒でなければ公立私立関係なく、塾なしでは難しいです

塾でも実際に大手前高松中学・高校の生徒は通っている人も多く、他の高校と比較して少ない印象はありませんので、塾通いしている生徒は他の高校と変わらないのが現状です

大手前高松高校のコースと入試合格ラインを解説!

大手前高松高校には4つのコースがあり、学力別でわかれます

コース選抜は入試の点数によって振り分けられるため、自分が希望しているコースに入れない場合もあります

コースによって、学習する内容や学校から求められるレベルも異なります

ここでは各コースの特徴と各コースの入試合格ラインを解説します

コース別の合格ライン
  • SSコース:200点
  • Sコース:175点
  • Aコース:150点
  • Vコース:120点

実際のデータとして診断平均152の生徒はA落ちてVで合格していたり、100以下だった生徒はVも落ちたということもあるようです

診断平均160でS落ちてAで合格した生徒もいたり、公立高校で桜井高校や三木高校落ちてAやVクラスに入る生徒も多いようです

大手前高松では本番の点数で全て決まるので診断が高いからといって油断しないようにしましょう

栄冠進学SSコース

栄冠進学SSコースは最も難易度が高く、主に東大京大などの難関国公立大学や医学科を目指す学生が集まるコースです

合格ラインは入試テスト200点程度が目安とされています

特待生やM講座の受講資格を持つ学生はここのコースに入ります

高松高校、丸亀、高松一高を目指す人はこのコースには必ず受かりたいところです

栄冠進学Sコース

栄冠進学SコースはSSコースに次ぐ難関大学進学を目指す学生向けで、特に国公立大学の進学を目標とされています

合格ラインは入試テスト175点程度が目安とされています

SSコース、Sコースは学年の中で上位層で学校からも難関国公立大学の進学を期待されているコースです

桜井高校や高松西、観音寺第一、坂出高校を目指す生徒はこのコース合格を目指しましょう

特別進学Aコース

特別進学Aコースは、有名国公立大学進学を目指すことを目標としており、勉強と部活動の両立をしたい生徒も多くいます

合格ラインは入試テスト150点程度が目安とされています

高松北、三木(総合)、高松商業、高松南(看護)を目指す生徒の目安となるボーダーラインです

特別進学Vコース

特別進学Vコースは、国立大学・有名私立大学を目標としたコースで大手前高松では1番下のコースになります

そのため部活の推薦で入った生徒などもおり、他のコースと比較すると全員が大学進学に向けて勉強を頑張るという環境ではありません

合格ラインは入試テスト120点程度が目安とされています

大手前高松高校でコース替えはある?文系理系はいつわかれる?

大手前高松高校では、学年が変わる際にコースのクラス替えが行われます

1年生の時点で入学したコースがそのまま継続されることが基本ですが、定期テストや模擬試験の結果に基づいて、コースが変更する生徒もいます

主に三者懇談を通じて先生からコース変更の話があります(上がる場合、下がる場合どちらでも)

但し強制ではないので、変更したくない場合は先生と相談の上、そのままのコースにいることも可能です

先生との相性などもあるので、そういったところも加味された上で最終的に決めていくようです

中にはVコースからSコースに上がった生徒もいるため入学してからの頑張り次第では上のコースに入り難関大学に進学することも可能です

コース替えは基本的に学年が変わるタイミングですが、学期ごとに行われることがあり、学校側も生徒の成績や努力を重視して柔軟に対応しています

但しコース変更はそんなに簡単ではないので、特に上がりたい場合は必死に勉強する必要があります

また文系理系の選択についてですが2年生の段階で選択します

クラス編成は変わらず、授業を受けるときに教室移動をし、コースの中での文理で分かれて受けます

中学からの内部進学生との違いは?

大手前高松は大手前高松中学校から内部進学する生徒もいます

内部進学する場合と高校から入学する場合で異なる部分を解説していきます

クラス

大手前高松高校には中高一貫教育を受けた内部進学生も在籍しています

中学から進学してきた生徒は、飛翔コースと呼ばれるクラスに編成され、高校からの入学生徒とは別クラスになります

このコースは2クラスに分かれ、成績によって上下のレベルに分けられますが、進学目標に応じた柔軟な指導が行われます

内部進学生は一般入試の受験生とは異なり、中学の時点で高校のカリキュラムを組んでいるので、高校進学組とは別で授業が進んでいきます

ですが、全く交流がないわけではなく、一緒に受ける授業などもあるため、関わることもあります

大手前高松中学校は2クラス編成なので高校に関していえば外部進学で入ってきた人の方が圧倒的に多いです

指定校推薦

大手前高松高校では関関同立やMARCHなどの指定校推薦があります

しかし指定校推薦が受けられる優先順位があるので、指定校推薦目当てで大手前高松高校に入学する場合は注意してください

指定校推薦を受けられる優先順位
  • 中学からの内部進学生
  • サッカー部または野球部などの強い部活生
  • A、Vコースの生徒

大手前高松高校では、指定校推薦はまず中学からの内部進学生が優先です

しかし中学からの内部進学生でも学力が高い生徒は国公立難関大学を受けるようにいわれますので指定校推薦は受けられないと思った方が良いです

その次にサッカーや野球部などの強豪部活の生徒です

そして最後に余った指定校推薦枠がAコースやVコースの生徒に振り分けられます

そのため高校から入った生徒は指定校推薦をもらうのはかなり不利ですので、注意しましょう

また、栄冠進学SSコースやSコースの生徒は、指定校推薦の対象ではありません

SSコースやSコースは難関国公立大学の実績を残してほしいため指定校推薦を受けることはできません

頑張って学力を上げてSコース以上に入ったせいで指定校推薦が受けられないということにならないように気を付けてください

ただ、Sコース以上で勉強を頑張っていれば指定校推薦にある学校は一般入試でも入れると思います・・

大手前高松高校の進学実績は?

大手前高松高校の進学実績は高松一高と同じくらいかそれよりちょっと下といった印象です

高松高校とはかなり差があり現時点では遠く及ばないといった実績です

合格実績には浪人生も含んでいるかどうかは記載がなかったので、純粋にその年の卒業生だけのデータか浪人生も含んでいるかはわかりません

東大京大には毎年1名いれば万々歳といった感じで、その他の難関国公立大学も数名です

ほとんどがSSコースの生徒の実績です

大手前高松高校は私立より国公立大学を受けるような風潮での結果なので、現時点で最大限努力しての合格実績だと思います

私立大学に関しては1人で複数受けることができるので、国公立のような比較はできませんが、やはり高松一高より劣っている印象です

大手前高松の難関立大学進学者数

R6年R5年R4年
国立大学
東京大学010
京都大学100
北海道大学111
東北大学000
千葉大学111
一橋大学100
東京外国語大学000
名古屋大学002
大阪大学222
神戸大学212
九州大学210
私立大学
慶応大学110
上智大学221
早稲田大学200
東京理科大学022
青山学院大学141
明治大学246
大手前高松の進学実績

参考のため高松一高の難関大学の進学実績も載せておきます

高松一高の難関大学進学者数
(浪人生含む)

R6年R5年R4年
国立大学
東京大学000
京都大学020
北海道大学030
東北大学100
千葉大学110
一橋大学001
東京外国語大学102
名古屋大学211
大阪大学752
神戸大学334
九州大学328
私立大学
慶応大学122
上智大学903
早稲田大学335
東京理科大学232
青山学院大学126
明治大学4415
高松一高の進学実績

難関大学を目指すなら高松高校、高松一高、その後に大手前高松といった実績になっています

大手前高松高校で特待生になるための入試点数の基準は?

大手前高松高校では成績優秀者に対して合格通知書とともに特待生の案内があります

特待生として認定されるためには、入試の点数によって決められます

目安として、診断テストで平均220点越え、恐らく本番でも同じくらいとれた場合、特待生の案内がきているようです

特待生には、3年間学費免除があります

全てのコースから選ばれるとなっていますが、今のところSSコースの特待生しか聞いたことがありません

そもそも特待生は授業を免除する代わりに高い実績を残してもらうためなので、下のコースの優秀者に特待生をあげても学校としてメリットがないのではないかと思います

そのため基本的にはSSコース受験者で公立だったら高松高校を受験するような学力レベルの生徒にのみ特待生の案内がきています

さらに特待生には特別講座(M講座)の受講資格が付与される場合もあります

これは数学と理科がよく出来ていると貰える制度で、火・木の放課後に成績優秀者が集まり、英語・数学の特別カリキュラムを勉強するというものです

主に国公立や私立の二次試験の問題を扱い、ペアで相談しながら解いたりして早い段階から入試に向けた対策をするそうです

ただM講座はすぐに最初の定期後に入れ替えがあるので、初めに貰えてなくても気にする必要はないですし、初めに貰えたからといって安心しないようにしましょう

髙松中央高校(特進奨学生A)と大手前の特待生なしならどっちに行くべき?

高松中央高校の特進奨学生Aをもらえたけど大手前高松高校の特待生なしのSSコースどちらが良いか?といった悩みがたまにあります

それはどこのレベルの大学を目指しているかによります

先ほども見た通り、大手前高松高校は高松一高に次ぐ進学実績があります

高松中央高校は大手前高松高校よりも進学実績は低く、最近では神戸大学が1番良かったくらいです

また学費に関しては家庭の状況にもよりますし、立地なども関係してくるので一概にはいえませんが、高いレベルを目指している訳ではないのなら、高松中央高校でも十分だと思います

本音をいえば「どこに行っても自分次第」なのですが、やはり周りの環境は大きいので、3年間自分の意思を貫き通せるのは本当に難しいことです

また年収によっては特待生ではなくても学費が免除される場合もあるので、一度調べてみるのもおすすめです

ただ難関大学を目指すということだけに焦点をあてると実績からみて大手前高松、もっといえば一高や高高を狙った方がより目標達成はしやすいかなと思います

自分が将来目指すものや目的によって選んでいきましょう

大手前高松高校の受験倍率は?

大手前高松高校の受験倍率は公表されておらず、わかりませんが、大手前高松高校は進学校といっても「公立高校落ちたときのすべり止め」という認識が一般的です

そのため高高や一高のその年の倍率によって大手前高松高校に入学してくる生徒も変動するので、そこも加味して私立は基本合格すると思います(希望のコースに入れるかは別です)

高校浪人は聞いたことがないので、大丈夫だと思います

なので、公立高校のように倍率を気にするよりかはどのコースに合格できたかというラインで公立高校の志望校を判断していくようになります

地方なので私立よりも公立というイメージがまだまだ強いです

まとめ:難関大学進学実績はあるが合格のためには本人の努力が必要

大手前高松高校は、進学実績やコースの充実度から、難関大学を目指す学生にとって魅力的な私立学校です

しかし、塾いらずまでのサポートが得られるかといったら、そんなことはなく他の公立進学校と同等といった印象です

またコース替えは学年が変わるタイミングでありますが、そんな簡単に変更できるわけではありませんので、他の人より努力する必要があります

内部進学の生徒とはクラスが異なり、また指定校推薦も内部進学生の方が優先順位が高いので指定校推薦を狙う場合は大手前高松はオススメしません

進学実績は高松一高に少し劣る程度で、毎年東大京大に1名合格すればあっぱれ!といった雰囲気です

特待生を狙う場合は診断で平均220点くらいの学力レベルが必要で、高松高校を目指すような生徒が特待生の資格を貰っている場合がほとんどです

大手前高松高校は「公立高校のすべり止め」といった感じですので、相当成績が悪くない限り(診断100以下)は合格します

ただし狙っていたコースに合格できるかは当日のテスト次第ですので、気を抜かずに過去問や勉強に励む必要があります

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この記事を書いた人

国公立大学医学部卒。大学時代から社会人の現在まで家庭教師、個別指導などの講師を経験。受験を控えている学生やご家族、成績が上がらず悩んでいる方へ役立つ記事を提供します。

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