- どうしてあの人はゴーストになったの?
- 同じように死んだ人もいるのに、なぜみんなゴーストじゃないの?
- ホグワーツにいるあの幽霊たちって、どういう存在なの?

ゴーストとは魔法使いのみができる「死者がこの世に残した魂の痕跡」であり、ホグワーツの各寮に存在します
この記事では、ハリー・ポッターの世界に登場する「ゴースト」とは何か、どうすればゴーストになるのか、そして、作品の中に出てくる主なゴーストをわかりやすくまとめました
ハリー・ポッターの「ゴースト」とは?


ハリーポッターの世界における「ゴースト」は、「死者がこの世に残した魂の痕跡」です
- 真珠のように白く、半透明の姿
- 壁や扉を自由に通り抜けることができる
- 魔法使いとして生きた者のみがなれる
- ゴーストの体は冷たく、人間が通り抜けると冷水の入ったバケツに突っ込んだようにゾーっとする
- 太陽の光の下ではほとんど見えない



彼らはただの幽霊ではなく、かつて魔法使いとして生きた者たちです
ゴーストたちの間ではゴースト評議会なるものが開かれ、重要なことはここで決定されています
4巻(炎のゴブレット)でポルターガイストのビーブズが新入生歓迎会に出たいとダダをこねたときも評議会で協議されましたが参加は許されませんでした
ホグワーツ城には少なくとも20人以上のゴーストと暴れん坊のポルターガイストが1人が暮らしており、時には伝令役として活躍することもあります
ホグワーツには「寮つきのゴースト」がそれぞれ存在し、その他3階のトイレに棲みつく「嘆きのマートル」や教授陣で唯一のゴースト「ビンズ教授」などが出てきます
ゴーストになる人とならない人の違い


すべての死者がゴーストになるわけではありません
ゴーストになれるのは魔法使いだけであり、しかもごく一部に限られます
ほとんど首なしニックによると「死を恐れ、現世に残ることを選んだ魔法使いだけがゴーストになる」と語られています
魔法使いは地上に自らの痕跡を残すことができ、死んでからも生前辿ったところを影の薄い姿で歩くことができるといわれています
つまり、
- 死を受け入れられず、この世に執着した者
- 死後の世界を恐れた者
こうした者たちが、自らの意思でこの世に“影”として留まるのです



ニックは死を恐れ、現世に残ることを選んだのでゴーストとなりましたが、この道を選ぶ魔法使いは滅多にいません
死を恐れない魔法使いは、自然にあの世へと旅立ち、ゴーストにはなりません
ハリーはシリウスブラックもニックのようにゴーストとして現世に戻るかもしれないと期待しましたが 、ニックが「あの人は逝ってしまうでしょう」と返答しています
ホグワーツの代表的なゴーストたち


グリフィンドールのゴースト「ほとんど首なしニック」


- グリフィンドールの寮つきゴースト
- 本名:ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿
- 死因:歯並びを直そうとした魔法が失敗し、処刑
- 性格:陽気で社交的
- 夢:ホグワーツの「首無し狩りクラブ」に入会すること
生きているときはヘンリー7世の宮廷で仕えていましたが、1492年10月30日の晩、散歩中の出っ歯のレディ・グリーブ夫人と出会い歯並びを治せると請け負って魔法をかけるが失敗し、歯が牙のようになってしまったため翌朝斬首刑を宣告されました
1492年10月31日、刑はすぐに執行されますが、その日は斧を研ぐ砥石がなく斬れない斧を使ったため 死ぬまで45回も斬りつけられました
最後まで首はすっぱり落ちず胴体と1センチの皮一枚でつながったままなので『ほとんど首なしニック』と呼ばれています
ニックは死ぬことが怖かったので死の代わりに儚い生の擬態を選びゴーストとなりました



ホグワーツの「首無し狩りクラブ」に入会を希望していますが、首と胴体が離れていないので断られ続けています
性格は陽気で社交的、左耳をつかんで引っ張ると頭が首からグラッと外れ蝶番が開くように肩の上に落ちるので、新入生歓迎会などで生徒にこの芸を時々見せては驚かせています
レイブンクローの「灰色のレディ」


- レイブンクローの寮つきゴースト
- 本名:ヘレナ・レイブンクロー
- 死因:思いを寄せられていた人の要求を拒否して激怒され、刺殺される
- 好きなこと:秘密を守ること
ホグワーツ創設者ロウェナ・レイブンクローの娘で、レイブンクローの寮つきゴーストです
ヘレナは母親よりも賢く重要人物になりたかったので、母親の髪飾りを盗みアルバニアの森に潜伏していましたが、死期を迎えた母がヘレナに会いたがり、後に血みどろ男爵と呼ばれる男性にヘレナを探させます



男爵はヘレナのことが好きで、以前に告白したが断られていました
ヘレナは探されているのを察知し、髪飾りを木の虚に隠しました
その後男爵に見つかってしまいますが、一緒に帰ることを拒否。 短気な性格の男爵は激怒し、ヘレナはその場で刺し殺されました
死後、ヘレナは灰色のレディとなり、レイブンクロー寮に留まります
ゴーストになってからも髪飾りのありかを誰にも教えていなかったヘレンでしたが、巧みな話術を使ったトム・リドル(ヴォルデモート)にだけ気を許して教えてしまいます
その後、髪飾りはヴォルデモートが分霊箱にしてホグワーツの必要な部屋に移されました
スリザリンの「血みどろ男爵」


- スリザリンの寮つきゴースト
- 死因:自分の過ちを悔いて自ら命を絶った
- 好きなこと:灰色のレディを愛すること、生徒や仲間のゴーストを怖がらせること
スリザリン寮の身の毛のよだつようなゴーストで虚ろな目、げっそりとした顔で、衣服は銀色の血でべっとりとした見た目です
ホグワーツ卒業後、彼はヘレナ・レイブンクローに片想いをしていました
彼はヘレナの母、ロウェナ・レイブンクローの頼みでヘレナを探しましたが、ヘレナは彼と一緒に戻ることを拒み、激怒した彼は彼女を殺してしまいます
自分のしたことに気がついた男爵は同じナイフで自分を刺し自ら命を絶ちました
無口で不気味な外見ですが、根底には罪悪感と悲しみが潜んでいます



温厚なほとんど首なしニックとは違って 強面で、いたずらの達人ピーブズでさえ、この男爵の命令には従っています
ハッフルパフの「太った修道士」


- ハッフルパフの寮つきゴースト
- 死因:棒でつつくだけでできものを治療できたことで怪しまれ処刑
- 性格: 陽気でおおらかな性格
陽気でおおらかな性格の修道士でハッフルパフのゴーストです
生前、太った修道士は棒でつつくだけで、 できものを治療することができたせいで怪しまれて処刑されてしまいます
枢機卿(カトリック教会における教皇の最高顧問)になれなかったことが原因で、ゴーストになっています
死後も寛大な性格は変わらず、ピーブズのいたずらにも寛容に接しています
温かい人柄がハッフルパフらしいゴーストです
3階のトイレに棲みつく「嘆きのマートル」


- 本名:マートル・エリザベス・ワレン
- 死因:バジリスクの目を見て死亡
- 性格:いつも機嫌が悪くトイレですすり泣いている
3階の女子トイレに取り付いているずんぐりとした体型の女のゴーストでトム・リドルと同時代のレイブンクロー生でした
学生時代、同級生のオリーブ・ホーン・ビーにからかわれトイレに閉じこもっていた際、バジリスクの目を見て死亡しました
マートルは死後、舞い戻ってきてオリーブ・ホーン・ビーに取り付きましたが、ホーンビーがマートルのストーカー行為をやめさせようと魔法省に行ったため、殺されたトイレに戻り棲みついています



2巻で彼女がいるトイレでポリジュース薬を作ったときに、ハリーやロンと仲良くなり、ハリーに好意を寄せました
4巻では三大魔法学校対抗試合の課題でハリーが監督生の浴室に入っているところにやってきて、 金の卵についてアドバイスしたり、課題当日には湖の中にまで現れ、水中人の村の方向を教えてあげたりとハリーに協力したりしていました
魔法史の先生「ビンズ教授」


- ホグワーツ唯一のゴースト教授
- 死因:生身の体を職員室に置き去りにしてしまう
- 椅子から2、3センチ浮かんで講義する
- 授業はいつも退屈、唯一面白いのは毎回先生が黒板を通り抜けて教室に現れること
魔法史を教えるホグワーツ教授陣の中では唯一のゴーストの先生で、椅子から2、3センチ浮かんで講義するのが特徴です
先生がゴーストになったのは、職員室の暖炉の前で居眠りをしてしまい、 翌朝起きてクラスに行くときに生身の体を職員室に置き去りにしてしまったことが原因です



その時すでに相当なお歳だったので、自分が死んだことにも気づかなかったそうです
“聞くところによれば、自分が死んだことにも気づかなかったらしい。ある日、立ち上がって授業に出かける時、生身の体を職員室の暖炉の前のひじ掛けいすに、そのまま置き忘れてきたという。それからも、先生の日課はちっとも変わっていないのだ。”
小説:ハリーポッターより
生徒の名前は全く覚えておらず、5年生になってもハリーは「パーキンズ」と呼ばれていました
2年生の時にハーマイオニーが秘密の部屋について質問したときだけは、クラス中が無気力の催眠状態から覚醒し、活気づきました
まとめ
ハリー・ポッターのゴーストたちは、単なる幽霊ではなく「死を恐れ、この世に留まった魔法使い」たちです
彼らは恐怖や未練、後悔といった人間らしい感情の象徴でもあります。
ホグワーツには個性豊かなゴーストが存在し、それぞれの背景を知ることで、物語世界がより深く理解できます