- 屋敷しもべとは?
- 屋敷しもべの特徴
- 屋敷しもべのキャラクター
- 屋敷しもべの登場シーン

屋敷しもべは家族のために奴隷のように奉仕する妖精のことで代表的なキャラクターとしてドビーやクリーチャーがいます
この記事では、屋敷しもべとは何か?なぜ主人に従うのか?どのようなキャラクターがいたのか? を、簡潔にまとめています
屋敷しもべとは?ハリー・ポッターに登場する魔法生物の正体
屋敷しもべ妖精とは、魔法界の大きな館に住み込み一生その家族のために奉仕する妖精のことです


- 禿げた頭にコウモリのような耳
- テニスボールほどの大きな目
- 古い枕カバーのような布を身につけている
禿げた頭にコウモリのような耳、テニスボールほどの大きな目が特徴で、性別の違いは見分けにくい外見をしています



屋敷しもべ妖精は古い枕カバーのような布を身につけていますが、これは“服”ではありません
主人からきちんとした衣服を与えられた瞬間に自由の身となるため、服を着ないことで「奴隷である証」を示しているのです
ホグワーツにも多数の屋敷しもべ妖精が働いており、料理・掃除・洗濯・ベッドメイキングなど、学校運営を支える重要な役割を担っています
屋敷しもべがなぜ主人に忠誠を尽くすのか?
屋敷しもべ妖精は、単に命令されるから働くわけではありません
屋敷しもべ自身が自由になるのは恥ずべきことと考え、
- 「自分は主人に尽くすのが当然」
- 「楽しんではいけない」
という価値観を自ら深く信じ込んでいるため、むしろ忠誠を誇りに感じています
そのため、4巻でハーマイオニーがS・P・E・W(しもべ妖精福祉振興協会)を作り、屋敷しもべたちを解放しようとしたときも、多くの屋敷しもべは逆に怒ったほどです



例外も存在し、最も代表的なのがドビーです
自由の身となってからは、ホグワーツで働き校長から給料と休みを貰っています
しかし、おおかたの妖精は無償でご主人様に尽くすことに誇りを持ち、ウィンキーのように解雇されたショックでバタービール浸りになった者もいます
屋敷しもべだけが使える特別な魔法
屋敷しもべ妖精は、魔法使いとは異なる独自の強力な魔法を使えます
- 魔法使いが姿現しできない場所にも出入り可能
- 杖を使わずに魔法を発動できる
- 家事に特化した魔法が非常に得意
杖の使用規則により、その使用が禁じられていますが、独自の魔法を使って家事をこなしたり、魔法使いが姿現わしできない場所でも出入りできます
屋敷しもべのキャラクターと登場シーン
ここでは、物語で特に印象的な 4 体の屋敷しもべ妖精を紹介します
- ドビー
- クリーチャー
- ウィンキー
- ホキー
①ドビー
2巻『秘密の部屋』で初登場した屋敷しもべ妖精です
- 初登場『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
- 誕生日6月28日
- テニスボール大の目、尖った耳、鉛筆のような鼻
- キーキー声で話す
- ドジで過剰な行動も多いが、心は純粋
- 2巻まではマルフォイ家に仕えていた
- 3巻以降は自由な身としてホグワーツで働く



かつてマルフォイ家に仕えていましたが、ハリーによって自由の身となりました
2巻でマルフォイ家のしもべ妖精として現れ、ハリーに対し「学校に危険が迫っている」と警告しようとしました
ハリーを危険なホグワーツから遠ざけようとして、
- ダーズリー家でデザートに浮遊術を唱える(ハリーが魔法の実行犯と誤解され魔法省から警告を受け取る)
- キングズ・クロス駅の柵に魔法をかけて通れなくする(空飛ぶ車で学校に行きハリーとロンは先生から大目玉を食らった)
- ブラッジャーに魔法をかけてハリーに大怪我をさせる(治療したロックハートに骨を抜かれ入院した)
と、散々な目にあわせました
2巻の最後に自由の身になってからは、給料をもらって働こうと考えます
多くの魔法使いは給料を要求する屋敷しもべ妖精を欲しがらないため二年間断られ続けていましたが、ホグワーツに行くとダンブルドアは快く受け入れ
- 週1ガリオンの給料
- 月1日休み
を貰いながら働いています
趣味は洋服集めで、ホグワーツで働くドビーと会ったときは、帽子代わりにキラキラしたバッジをたくさんつけたティーポット・カバーを被り、裸の上半身に馬蹄模様のネクタイを締め、子供用のサッカー用パンツに、左右別の色のソックスを履いていました
またハリーの役に立ちたい気持ちが非常に強く、要所要所でハリーを助けました
- 4巻:トライウィザードでハリーを助ける
- 5巻:必要の部屋を教える
- 6巻:ドラコの監視を寝ずに続ける
- 7巻:マルフォイの館からハリーたちを逃がす
4巻の三校対抗試合でハリーが水中で1時間過ごす方法が見つからなかったときは、鰓昆布を持って現れたり、5巻でDAの防衛術の部屋を探したときは、必要の部屋の存在をハリーに教えました
「その部屋に入れるのは」ドビーは真剣な顔だ。「本当に必要なときだけなのです。ときにはありますが、ときにはない部屋でございます。それが現れるときには、いつでも求める人の欲しいものが備わっています」
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
6巻でドラコ・マルフォイを見張るようハリーから命じられると、1週間寝ないで尾行し続けました
そして、最終7巻ではマルフォイの館に捕らえられたハリーたちを助けるために姿現しで逃げることに成功しますが、姿現しで逃げる直前にベラトリックスが投げたナイフがドビーの胸にあたり、逃げた直後に命を落としてしまいます
②クリーチャー
- 初登場『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
- 豚のような鼻、血走った大きな目、巨大な耳
- 純血主義者のブラック家の考え方
ブラック家に長く仕えた年老いた屋敷しもべ妖精です
1995年(5巻)にグリモールド・プレイス(ブラック家)が不死鳥の騎士団の本部となる10年前から独りで暮らしていました
シリウスにとって、クリーチャーは憎んでいた家を生々しく思い出させる存在であったため愛情が持てず、このしもべ妖精をろくでなし呼ばわりして無関心でいました
一方のクリーチャーもまた、シリウスに対し心から忠誠心を感じることができずにおり、シリウスの高慢な母親やレギュラス・ブラックを慕い、母親が死んで肖像画となってからもその狂った命令に従っていました
そんな中、シリウスから「出て行け!」と言われたクリーチャーは、それを言葉通り屋敷を出て行けという命令だと解釈し、自分が尊敬できるナルシッサ・マルフォイのところに行ってしまいます



二君に仕えるようになったクリーチャーでしたが、しもべ妖精の立場に縛られていたため、他言を禁じられていた騎士団の機密情報を漏らすことはできませんでした
しかし、彼が些細なことと考えてマルフォイ夫妻に打ち明けた、
「ハリーが最も大切に思っているのはシリウスで、彼のためならどんなところにでも助けに行く」
という情報がヴォルデモートに伝わり、闇の帝王はそれを利用して、ハリーに予言の球を取らせる計画を立てます
1996年6月、ヴォルデモートがハリーの心にシリウスが拷問されている偽りのイメージを送り、ハリーが確認のために屋敷の暖炉に現れると、クリーチャーはヴォルデモートから言われた通り「ご主人様は神秘部から戻ってこない」と嘘を伝えます
こうして騙されたハリーは魔法省に向かい、跡を追ったシリウスは神秘部で殺されてしまうのです
ブラック家の屋敷しもべ妖精でしたが、最後の一人のシリウス・ブラックが死に、名付け子のハリーに全財産を遺したためハリーの妖精となりました



ふだんはホグワーツの厨房で働き、ハリーが呼ぶとしぶしぶ現れます
純血主義者のブラック家の考え方に倣い、マルフォイ家の人間には敬語を使いますが、ハリーのことは
- 「汚らわしい「穢れた血』の仲間」
- 「こんな主人を持って恥ずかしい」
と侮辱しています
6巻でハリーのしもべ妖精となってからは、ドラコ・マルフォイを尾行する仕事を命じられましたが、いい加減な報告しかせず、ハリーのために働こうとはしませんでした
③ウィンキー
ウィンキーはクラウチ家に仕えていた屋敷しもべ妖精です
ウィンキーはアズカバンから脱獄したクラウチ・ジュニアと共に1994年(4巻)クィディッチ・ワールドカップに行った際に事件に巻き込まれます
ウィンキーは高所恐怖症であり、観客席にいる間は目を瞑っていたため、その際に父親の服従の呪文の支配から脱出したクラウチ・ジュニアが杖を盗み闇の印を空に刻んでしまいます
ウィンキーはテントにいるようクラウチから命令されていましたが、持ち場から離れた森で闇の印を出現させた杖を持っていたことから闇の印を打ち上げた疑いとクラウチ(父)のプライドを傷つけたことから解雇されてしまいます
無実にもかかわらず“事件の責任を負わされる形”で解雇されてしまったのです
その後ドビーとともにホグワーツ魔法魔術学校でキッチン係として働きますが、解雇=自由になることは妖精にとって屈辱であるため、ホグワーツに行ってからはバタービール浸りになるほどのショックを受け深く落ち込んでしまいます
ハーマイオニーが洋服を置いても逃げ回るなど、「自由=罰」の価値観が強く表れるキャラです
④ホキー
ヘプジバ・スミスに仕えていた老いた屋敷しもべ妖精です
小さい年寄りのしもべ妖精でヘプジバの夜食のココアに誤って毒を入れ殺害した罪で、魔法省から有罪判決を受けました
しかし、実際にヘプジバを殺したのはトム・リドル(ヴォルデモート)だったのです
当時ボージン・アンド・バークスの店員だったトムは、ヘプジパが所有していた
- ハッフルパフのカップ
- スリザリンのロケット
を手に入れるため、ヘプジバを殺害します
この2つは後にヴォルデモートの分霊箱となります
その後ホキーに魔法をかけて記憶を修正し、毒を入れたことを自白するよう仕向けたのです



ダンブルドアは、ホキーが亡くなる直前にその記憶を取り出した。
ホキーは忠実で穏やかな妖精ですが、魔法省からは「妖精は信用できない」という偏見を受けており、魔法界の差別構造を象徴する存在ともいえます
まとめ:屋敷しもべから読み解くハリー・ポッターの世界
屋敷しもべ妖精は、単なる脇役ではなく、ハリー・ポッター世界の“文化・価値観・差別構造”を映し出す重要な存在です
- 主人への忠誠
- 服を与えられると自由になる仕組み
- 強力な独自魔法
- 自由を誇りとするドビー
- 伝統を重んじるクリーチャー
- 自由を恥と考えるウィンキー
- 差別の象徴となるホキー
こうしたキャラクターたちの背景を知ることで、作品の奥深いテーマがより立体的に理解できるようになります。









