- どうしてダーズリー家はハリーにあんなに冷たくするの?
- そこまで嫌っているのに、なぜ家から追い出さなかったの?

バーノン、ペチュニア、それぞれがハリーや魔法界に対して異なる思いを抱いています
この記事では、ダーズリー家がハリーに冷たかった理由、そして魔法を嫌うようになった背景を、登場人物たちの心理をもとにわかりやすく解説します
ダーズリー家がハリーに冷たかった理由


ダーズリー家でハリーはいつも冷たく扱われ、階段下の物置に閉じ込められるなど、悲惨な生活を送っていました
その理由には「魔法」への強い嫌悪と、「普通」でありたいという執着がありました
①ダーズリー家の魔法に対する嫌悪感
ダーズリー家がハリーに冷たくしていた理由の1つは、『魔法に対する嫌悪感』からでしたでした



特にペチュニアおばさんは、妹リリーに対する強い劣等感と嫉妬が根深く残っていました
ペチュニアはもともと仲の良い姉妹関係を築いていましたが、妹リリーが魔法の力を持ち、ホグワーツに入学したことで、姉妹の間に見えない溝が生まれます
ペチュニアはリリーがホグワーツに入学する際、自分も「ホグワーツに入学したい」とダンブルドアに直接手紙を送りましたが、それは叶いませんでした
魔法を使える妹に対し、ペチュニアは強い嫉妬を抱き、やがてその感情は「魔法=嫌悪」に変わり、リリーの存在を否定するようになります
魔法の力を受け継ぐハリーに対しても同様の嫌悪感や憎しみを抱いていたのです
②普通でありたいという執着
彼らは魔法を「異常」なものと捉え、それが自分たちの生活に入り込むことを極端に恐れていたのです



特にバーノンは「普通であること」を何よりも誇りにしていました
彼にとって魔法は「非常識」であり、「社会的地位を脅かす存在」でした。
そのため、ハリーのような“異質な存在”を家に置くこと自体が耐え難かったのです
バーノンについての詳しい性格やエピソードは、別記事「ダーズリーおじさんがハリーを嫌う理由」でも解説しています
それでもハリーを追い出さなかった理由


冷たく扱いながらも、ダーズリー家はハリーを追い出すことはありませんでした
ポッター夫婦が1981年に亡くなり、かつて手紙のやり取りをしたことのあるダンブルドアから、生き残ったハリーを育てて欲しいと頼まれ、引き取ることにしました
その背景には、ダンブルドアがかけた“古の保護魔法”が関係しています
ダンブルドアは、リリーの「血の魔法」を利用し、「ハリーが母親の血縁と共に暮らす限り、ヴォルデモートは手出しできない」という強力な守りを施していました
ペチュニアはそのことを理解しており、ハリーを家に置くことで彼の命が守られることを知っていたのです



そのため、冷たい態度や酷い扱いをしていましたが、『家から追い出す』ということだけはしませんでした
妹リリーに対して嫉妬から溝が深まっていましたが、完全に姉妹の絆や愛情が切れていたわけではなかったのです
しかし一度だけ、ハリーが家を追い出されそうになったことがありました
1995年夏(5巻)ダドリーが吸魂鬼に襲われ、それに激怒したバーノンがハリーを家から追い出そうとしましたが、ダンブルドアから抗議の吼えメールが届き、ペチュニアは慌ててハリーを家に引き止めました
彼女は、嫌いでも“守らなければならない存在”として、ハリーを家に留めたのです
ハリーとダーズリー家の関係性の変化
物語の後半になるにつれ、ダーズリー家の態度は少しずつ変化していきます
特に息子のダドリーは、吸魂鬼の一件をきっかけに、自分の非を認めるようになります
- 初期:恐怖と拒絶
- 中盤:混乱と葛藤
- 終盤:理解とわずかな和解
死の秘宝で「七つのポッター作戦」をする際に、ダーズリーの家が危険だからと、ダーズリー家は家を出ていくことを決意します
その際、
- ダドリーは「ハリーも危険なのに、なぜ一緒に出ないんだ」と心配
- 別れ際、ダドリーはハリーに感謝の言葉をかける
- ペチュニアは沈黙の中に複雑な感情を見せる
完全な和解ではありませんが、ダーズリー家の中で“何かが変わった”のは確かです。
まとめ:ダーズリー家の冷たさの根底にあった“恐怖と嫉妬”
ダーズリー家がハリーに冷たく接したのは、単なる意地悪ではありません
そこには「恐怖」と「嫉妬」という、人間らしい弱さが隠れていました
- ペチュニアは、妹への嫉妬心を消せなかった
- バーノンは、普通の世界を守るために異質なものを拒絶した
そして、そんな二人の価値観の中で育ったダドリーは、最後に人としての優しさを見せました
ハリーがダーズリー家で過ごした年月は、決して幸せではなかったかもしれません
しかし、その冷たさの裏には、恐怖と嫉妬、そしてわずかな愛情が確かに存在していたのです