- 不死鳥の騎士団が描いた物語とあらすじ
- 主要なキャラクター(シリウス、アンブリッジ、ルーナ)
- ハリーが孤立していた理由
- 不死鳥の騎士団で張られた伏線

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』は魔法省とダンブルドアの対立によってホグワーツが侵され、ヴォルデモートの計画の結果、シリウスが殺されてしまいます
この記事では、『不死鳥の騎士団』がどんな物語なのかを結論から整理し、あらすじ・登場人物・ハリーが孤立していた理由・後につながる重要な伏線まで、わかりやすく解説します
【結論】『不死鳥の騎士団』は何を描いた物語なのか?


不死鳥の騎士団は「孤立」と「権力」を描いた転換点の物語
『不死鳥の騎士団』は、ハリーが初めて「完全に孤立する」物語です
敵であるヴォルデモートだけでなく、魔法省や世間までもがハリーを否定します
- 正しいことを言っているのに信じてもらえない
- 助けを求めても、大人たちは動いてくれない
この巻では、「正義が常に守られるわけではない世界」が描かれています
それまでの冒険物語から、より現実的で厳しい物語へと大きく舵を切った転換点と言えます
孤立と権力が前面に出るため、シリーズ屈指の重い物語になっている
この巻が重く感じられる最大の理由は、「権力を持つ側」が露骨に描かれるからです
魔法省は秩序を守る組織ですが、真実よりも自分たちの立場を優先します



アンブリッジはその象徴的な存在です
暴力ではなく、規則と制度で人を縛る怖さが前面に出ます
そのため、読後感が苦しく、重たい印象の物語になっています
『不死鳥の騎士団』のあらすじを簡潔に解説
物語前半:ハリーが孤立していくまで
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でヴォルデモートの復活を目にしたハリーはそのことを魔法省に訴えますが、魔法省から「嘘つき」として扱われます
ダドリーを襲った吸魂鬼の裁判でも、魔法省は責任を認めず、ハリーに責任をなすりつけようとします
学校に戻っても状況は変わらず、周囲の視線は冷たいままで、ハリーはシリウス以外には誰にも頼れず、怒りを抱え込んでいきます
物語中盤:学校と魔法省の対立が激化する
魔法省はアンブリッジを闇の魔術に対する防衛術の先生としてホグワーツに送り込みます
彼女は防衛術の実技を禁じ、生徒を管理と監視で縛ります
「防衛呪文を使う?」アンブリッジ先生はちょっと笑って言葉を繰り返した。「まあ、まあ、ミス・グレンジャー。このクラスで、あなたが防衛呪文を使う必要があるような状況が起ころうとは、考えられませんけど?まさか、授業中に襲われるなんて思ってはいないでしょう?」
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団
これに対抗するため、ハリーたちはダンブルドア軍団(DA)を結成します



生徒たちが自分たちで学び、戦う準備を始めていきます
物語後半:神秘部で起きた悲劇と結末
ヴォルデモートは、ハリーと精神的につながっていることに気づき、それを利用しようと計画します
シリウスが拷問されている偽の映像を見せ、ハリーを神秘部へ誘導し、その結果、不死鳥の騎士団と死喰い人の戦いが起こり、シリウスは命を落としてしまいます
ハリーは初めてできた家族を失い、取り返しのつかない喪失を経験します
主要な登場人物と相関関係を整理


不死鳥の騎士団:ヴォルデモートに対抗する大人たちの組織
不死鳥の騎士団は、ダンブルドアが結成した秘密の同盟です
ヴォルデモートが最初に台頭した時代(1970年代)に、ダンブルドアがヴォルデモートと戦うために組織した秘密同盟で、 メンバーは、魔法使いからスクイブ、 闇祓いや居酒屋のバーテン、ならず者まで様々な人が入っています
1995年6月にヴォルデモートが復活すると、シリウスの家を不死鳥の騎士団の本部とし、再度動き出します
- ヴォルデモートの軍団再構築の阻止
- 闇の帝王の復活を魔法界に告知
- 新メンバーの勧誘
- ハリーの見張り
- 神秘部の予言の警護
1995年時点の主なメンバーは以下の通りです
- アルバス・ダンブルドア
- マッドアイ・ムーディ
- ミネルバ・マクゴナガル
- キングズリー・シャックルボルト
- マンダンガス・フレッチャー
- ルビウス・ハグリッド
- シリウス・ブラック
- リーマス・ルーピン
- セブルス・スネイプ
- アーサー・ウィーズリー
- モリー・ ウィーズリー
- ビル・ウィーズリー
- チャーリー・ウィーズリー
- ニンファドーラ・トンクス
シリウス・ブラック:ハリーにとって唯一の理解者
シリウスは、不死鳥の騎士団メンバーで、ハリーの名付け親であり後見人です



大人でありながら、ハリーの感情に寄り添える数少ない存在でした
5巻では自宅のグリモールド・プレイス12番地を不死鳥の騎士団の本部として提供していました
シリウス自身はその首に1万ガリオンの懸賞金がかかっているお尋ね者だったため家から出られず鬱々と暮らしていましたが、勇敢で向こう見ずな彼は自分だけハリーを探さずに屋敷に残ることができず、神秘部に行ってしまいます
そして従姉のベラトリックス・レストレンジと死の間で戦い、ベールの向こう側に落ち、亡くなってしまいました
ドローレス・アンブリッジ:物語最大の抑圧者
アンブリッジは、魔法省の権力を象徴する人物です
可愛らしい外見とは裏腹に、極めて残酷な思想を持っており、彼女は秩序を守るためなら生徒の心を傷つけることも厭いません



5巻で闇の魔術に対する防衛術の先生として魔法省から送り込まれました
表向きは教育水準が低下したホグワーツを改善する目的の赴任でしたが、実はダンブルドアとハリー を追放しホグワーツを監視するために魔法省から送り込まれたスパイでした
この存在が、ホグワーツを安全なものではなくし、物語を一気に現実的で恐ろしいものにしています


ルーナ・ラブグッド:孤立するハリーを救った存在
ルーナは、周囲から変人扱いされているレイブンクローの生徒です
ハリーの1学年下の生徒で皆がハリーのことを「頭のおかしい嘘つき」と思っていた時期に、 ハリーの支持を表明しダンブルドア軍団(DA)のメンバーになりました
神秘部の戦いでは、唯一グリフィンドール以外の生徒として勇敢に戦いました
ハリーの孤独や辛い心のうちを理解してくれる数少ない人物で、シリウスが亡くなったときは、悲しみのどん底にいたハリーに、 「死者は神秘部のベールの裏側に隠れている」 と言って慰め、ハリーを救いました
なぜハリーは誰にも信じてもらえなかったのか?
魔法省が嘘を広め、ハリーの証言を否定したから
魔法省は、ヴォルデモート復活を認めたくありませんでした
混乱を避けるためハリーの証言を否定し、結果として、世論はハリーを疑う方向に誘導されます
大人たちが政治と立場を優先して動けなかったから
多くの大人は、真実に気づいていましたが、立場を失うことを恐れ積極的に動けませんでした
この「沈黙」もまた、ハリーを孤立させた原因です
ハリー自身も感情をコントロールできていなかったから
ハリーはまだ15歳と未熟であり、怒りや不安を抱えながらそれをうまく言葉にできませんでした
理解者であったダンブルドアにも避けられ、スネイプとの閉心術の訓練も途中でやめてしまった結果、ヴォルデモートから偽物の映像を見せられ、神秘部へ向かってしまいました
『不死鳥の騎士団』で張られた重要な伏線
ハリーとヴォルデモートの精神的なつながり
二人は、精神的に深く結びついており、このつながりにヴォルデモートが気付いた結果悲劇を生んでしまいました
このつながりは後の巻でも大きな意味を持ちます


この巻の出来事が後の悲劇につながる理由
シリウスの死は、物語をより暗黒な流れへと動き出しました
これはハリーが、「守られる側」から「選ぶ側」へ変わっていくことを意味しています
作者JKRは「何故シリウスは死んだのか」との問いに
「7作目を読めば、 彼が死ななければならなかった理由が分かると思います。 彼の死は気まぐれなものではありません。 ヒーロー(ハリー) は独りで進む方が、 読者はより満足すると思いますし、援助の手を与えすぎるとその仕事が楽になりすぎてしまいますから」
ハリー・ポッター大事典Ⅱ
と答えています
【まとめ】『不死鳥の騎士団』がシリーズ全体で持つ意味
『不死鳥の騎士団』は、成長のために必要な喪失を描いた物語です
理不尽さや孤独を経験することで、ハリーは本当の意味で自立していきます
重く、苦しい巻ですが、シリーズを理解するうえで欠かせない一冊です










